共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2025年3月

特異点を持つ超曲面に対する変分問題及び幾何解析と離散曲面論の新展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01801
体系的課題番号
JP20H01801
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円

本研究の目的は、滑らかな超曲面、区分的に滑らかな超曲面、多面体(離散曲面)の全てを含む超曲面の概念である「区分的Cr級弱超曲面」に対して法線、法変分、曲率などの幾何概念を定義し、このクラスに属する超曲面に対する変分法並びにエネルギー勾配流方程式の解析法を構築することである。他方、曲面の非等方的エネルギーは、エネルギー密度関数の選択により、液体・方向性のある液晶・結晶(固体)の全ての最適形状を求める変分問題を与えるため、本研究の変分問題のモデルとするのにふさわしい。以下に、2020年度に得られた研究成果を具体的に記載する。
非等方的エネルギー密度関数が2階連続的微分可能で凸性を持つ場合については、(n+1)次元ユークリッド空間の楔状あるいは錐状閉領域における超曲面についての自由境界問題のエネルギーの極小解についての一意性定理を得た。さらに、(n+1)次元ローレンツ・ミンコフスキー空間内のグラフの平均曲率に対するHeinz型評価を統一的に得、それを応用することにより、全超平面上で定義された関数のグラフとなっている空間的及び時間的平均曲率一定(以下ではCMCと略記する)超曲面が超平面となるための、グラフを定義する関数に対する十分条件を得た。なお、非等方的エネルギーの臨界点の特別な場合として、ローレンツ・ミンコフスキー空間内のCMC超曲面も与えられる。
非等方的エネルギー密度関数が微分不可能な点を持つ場合については、いくつかの付加的条件のもとで、非等方的エネルギー極小な閉超曲面はウルフ図形(同じ体積を囲む超閉曲面の中での非等方的エネルギーの最小解)に限ることを証明した。その際、区分的に滑らかな曲線・曲面に対し、法ベクトルや曲率などの幾何概念を定義し、古典的なシュタイナー公式並びにミンコフスキー公式が成立することを証明した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01801
ID情報
  • 課題番号 : 20H01801
  • 体系的課題番号 : JP20H01801

この研究課題の成果一覧

論文

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