共同研究・競争的資金等の研究課題

2009年 - 2011年

相変化を伴う気体・液体ならびに超臨界流体の数値解法

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
09J05076
体系的課題番号
JP09J05076
配分額
(総額)
2,100,000円
(直接経費)
2,100,000円

本年度は三次元での超臨界水と常温水の相変化を伴う流動問題の数値計算を行える計算コードを開発し,超臨界水熱合成の管路内の超臨界流体の三次元流動の特徴を明らかにした.
近年,超臨界水を用いた連続水熱合成反応によって酸化金属ナノ粒子を生成する方法が提案されており,超臨界水と常温水溶液の混合が非常に重要であるものの,その詳細な解析は行われていない.また化学反応および粒子生成による管路内部の腐食および粗大粒子による閉塞などの問題が起こることが知られており,反応器内部流動や反応,粒子生成の解明が急務となっている.昨年度までに臨界点近傍の熱物性値変化を正確に考慮した数値解析手法を提案し,二次元解析によって超臨界水熱合成反応における化学反応および古典各生成理論とモーメント法に基づく粒子生成モデルを用いた数値計算を行なった.本年度は上記の計算手法を三次元計算に拡張し,参照テーブルとPROPATHを用いた熱物性値計算手法を用いて実用的な計算時間で三次元計算が可能であることを示した.また,混合部以降において常温水は主流の影響を受け,前後壁方向に広がる三次元的な分布をもち,超臨界水熱合成反応において三次元解析が必要となることを示した.また二次元計算の計算結果との比較において逆流の様子が異なることも確認した.正確な粒子生成の評価には三次元流動解析が必要不可欠であり,今後の粒子生成の正確な評価に本数値解法は大きく寄与することが予想される.
臨界点近傍では密度が大きく変化することが知られている.この密度変化を利用した自然対流を用いた超臨界水の熱交換器の数値計算を行った.様々な温度条件および圧力条件による実験との比較を行い,本数値解法で実験結果との定性的な一致を得ることができた,管路内の温度は条件等によって大きく異なるため,それぞれの条件に合わせた数値計算が必要となり,今度の本数値解法によって熱交換器設計援用が期待される.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09J05076
ID情報
  • 課題番号 : 09J05076
  • 体系的課題番号 : JP09J05076