2019年
皮下免疫療法を行ったヒトおよびマウスのアレルギーにおけるFoxp3+ Treg細胞およびTr1細胞の解析
日本薬理学雑誌
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- 巻
- 154
- 号
- 1
- 開始ページ
- 17
- 終了ページ
- 22
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
- 出版者・発行元
- (公社)日本薬理学会
皮下免疫療法(subcutaneous immunotherapy:SCIT)は、抗原を皮下に長期間投与し免疫寛容を誘導することから、アレルギー疾患に対する唯一の根治療法といえる。SCITの臨床的有効性は確立されており、その効果発現メカニズムには制御性T細胞(Treg細胞)の増加が関与するとされる。Treg細胞には、マスター転写因子としてforkhead box P3(Foxp3)を発現するCD25+ CD4+ T細胞(Foxp3+ Treg細胞)、ならびに抗炎症性サイトカインであるIL-10を高産生するFoxp3- CD4+ T細胞(Tr1細胞)が存在する。我々は、SCITを行ったスギ花粉症患者(SCIT治療群)の末梢血中におけるFoxp3+ Treg細胞ならびにTr1細胞が、SCIT非治療群に比べ多いか否か解析を行ったところ、Foxp3+ Treg細胞数に関しては有意な差は認められなかったが、SCIT治療群のTr1細胞数はSCIT非治療群のそれらに比べて有意に多いことを明らかにした。また、SCITを行った喘息マウスにおいても、喘息反応が抑制されるとともに、肺においてFoxp3+ Treg細胞ではなくTr1細胞の有意な増加が認められた。さらに、in vitro誘導したTr1細胞を喘息マウスに養子移入すると、反応惹起により肺において顕著なIL-10の産生が認められ、喘息反応が抑制されることを明らかにした。このように、ヒトおよびマウスのいずれの種属においても、SCITの効果発現には、Foxp3+ Treg細胞よりむしろTr1細胞の増加が重要であり、増加したTr1細胞は抗原刺激に反応しIL-10を産生することでアレルギー反応を抑制すると考えられる。したがって、Tr1細胞の誘導機序の解析ならびに誘導薬物の探索は、より効率的なSCITの創出に繋がると考えられる。(著者抄録)
- リンク情報
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- URL
- https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2019&ichushi_jid=J01200&link_issn=&doc_id=20190709430003&doc_link_id=31308345&url=https%3A%2F%2Fpubmed.ncbi.nlm.nih.gov%2F31308345&type=PubMed&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00001_1.gif
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- ID情報
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- ISSN : 0015-5691
- eISSN : 1347-8397
- 医中誌Web ID : 2019280375