共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2022年3月

有機触媒を用いたドミノ反応によるキラル有用化合物の迅速合成

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
20H04801
体系的課題番号
JP20H04801
配分額
(総額)
7,800,000円
(直接経費)
6,000,000円
(間接経費)
1,800,000円

ドミノ反応は同一容器内で複数の反応を順次行うために、中間体を単離する必要がなく、反応間における精製工程を省略するので、操作時間の短縮、廃溶媒の低減といった利点を有する、環境調和型の反応である。これまでの研究で、2つのアミン触媒を合わせ用いるハイブリッド型触媒により、これまで困難とされていたケトン/不飽和アルデヒド間の不斉触媒マイケル反応が高い不斉収率で進行することを見出している。今回、この知見をさらに発展させ、有機触媒を用いた不斉マイケル反応とドミノ反応を組み合わせることにより、重要な光学活性合成中間体を、環調和型手法で効率的に合成する事を目的とする。また開発した手法を、強力な生物活性を有する天然物の全合成に応用し、その有用性を明らかにする。
具体的にはドミノ マイケル/マイケル反応により、形式的な[3+2]付加環化反応を実現し、光学活性な置換シクロペンタン骨格の構築法を確立する。シクロペンタン骨格を有する生物活性天然物は多くの化合物が知られているが、中でもプロスタグランジンは超強力な生物活性を有する化合物の一群である。今回、見出した反応をプロスタグランジンの合成に展開する。
一方、ビシクロ[3.3.0]オクタン骨格を有する多くの天然物及び医薬品が知られている。そこで、ドミノ マイケル/マイケル反応を利用して、ビシクロ[3.3.0]オクタン骨格の構築法の開発を行う。置換ビシクロ[3.3.0]オクタンの光学活性体の合成反応の最適化の後、置換ビシクロ[3.3.0]オクタンの光学活性体の一般性を検討する。得られた置換ビシクロ[3.3.0]オクタンから、プロスタサイクリン誘導体の一つであるイソカルバサイクリンの短工程合成を実現する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-20H04801
ID情報
  • 課題番号 : 20H04801
  • 体系的課題番号 : JP20H04801