講演・口頭発表等

2020年11月4日

ローイング動作時の筋シナジーの腰椎椎間板変性の有無による比較

第31回日本臨床スポーツ医学会学術集会
  • 関根千恵
  • ,
  • 松永直人
  • ,
  • (大久保雄)
  • ,
  • 半谷美夏
  • ,
  • 金岡恒治

記述言語
日本語
会議種別
ポスター発表
開催地
web, 日本

ボート競技選手の腰痛発症要因の一つに上肢・体幹・下肢の協調性低下が挙げられる。筋の協調性を明らかにするシナジー解析を行い、椎間板性腰痛を引き起こす腰椎椎間板変性保有の有無でローイング動作時の筋シナジーを比較した。大学ボート選手12名(椎間板変性群6名、健常群6名)を対象とし、ローイングエルゴメーターを用いた2000mタイムトライアルを実施した。椎間板変性の評価には腰椎MRT2強調画像から得られた正中矢状断画像を用いた。トライアル所要時間の20、80%経過直後の1ストローク中の右側の腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、多裂筋、広背筋、脊柱起立筋、大腿直筋、大腿二頭筋の活動を測定し、シナジーの群間の一致度をScalar Product(SP)で評価し、SP>75%で同一とした。トライアル前半部、後半部のいずれにおいても、両群ともに1つのシナジーのみを有した。前半部、後半部のシナジーとも、全ての筋で貢献度が高く、リカバリーを含むストローク全体を通して高い活動を維持しており、両群で同一であった(前半部:SP=99.8%、後半部:SP=99.9%)。ローイング動作の際には、ストロークを通して体幹・下肢筋の筋群を総動員し、協調性を維持した動作を行っていた。椎間板変性保有の有無で筋の協調性には差を認めず、腰部障害による体幹下肢の筋協調性への影響は認められなかった。