共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2022年3月

がん遺伝子産物Rasの動的な構造特性を介した機能発現メカニズムの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
17K15106
体系的課題番号
JP17K15106
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

1. H-RasQ61H(1-166)のState 2並びにState 1結晶の回折データからそれぞれの立体構造を決定した。
2.本研究で得られたH-RasQ61L、H-RasQ61HのState 2の結晶構造について野生型との立体構造比較を行った。両方の変異体において、Switch II領域(残基番号60-75)の不安定化が観察された。またSwitch IIの隣に位置するα3ヘリックスがState 1様の立体構造を有することが明らかになった。
3.本研究で得られたH-RasQ61L、H-RasQ61HのState 1の結晶構造について、野生型との立体構造比較を行った。Switch II(Q61L)は大きくSwitch I側に寄っており、Switch領域間で形成されるポケット構造の大きさが小さくなっていた。Switch II領域の主鎖構造はState 2(Q61L)とよく似ており、上述のα3ヘリックスにおける観察結果を踏まえると、State 2(Q61L)はState 1様の立体構造特性を有していると考えられる。一方、Switch II(Q61H)の電子密度はほとんど観察されず、ヒスチジンへの変異が顕著な立体構造の不安定化を引き起こしていると推察される。
4.分子動力学計算を行うための情報収集並びに計算環境構築を行った。計算機としてHPC5000-XSLGPU41S(GeForce GTX 1080 Tiを装備)を整備し、分子動力学計算ソフトウェアGROMACS2016、GROMACS2018、Amber Tools18、GAMESSを用いた計算環境構築を行った。これらの計算環境を用いて、野生型State 1の結晶構造に基づいてGppNHpを取り扱うための力場構築を行った。また、本研究で得られた結晶構造を用いて計算に用いる初期構造モデルを準備した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K15106
ID情報
  • 課題番号 : 17K15106
  • 体系的課題番号 : JP17K15106

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

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