共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

血流・組織解析CTによる肝細胞癌分子標的療法の治療効果および肝不全予測法の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
19K08199
体系的課題番号
JP19K08199
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究の目的は、Dual-Energy CTの組織物質弁別画像による血流・組織解析法を用い
て肝細胞癌に対する分子標的薬の治療効果ならびに背景肝実質への影響を同時に評価する
ことである。
進行肝細胞癌に対してレンバチニブ投与予定の患者に対して、当院にて配備されているDual-Energy CT装置(Siemens社SOMATOM Force)を用いて治療前7日以内、治療後1ヶ月、2ヶ月後にダイナミック造影CTを施行した19名に対して画像評価を行った。撮像条件として、ファントム実験でヨード定量の安定性が高かった100kVと150SnkVの管電圧、reference mAs 240mAsの組み合わせで撮像を行った。ダイナミック造影CTとして体重あたり600mgIの造影剤を30秒間で静脈注入し、動脈相・門脈相・平衡相の撮像を行った。
mRECISTで治療効果判定を行ったところ、1ヶ月後・2ヶ月後の奏効率はそれぞれ21%・37%であり、過去文献での奏効率40.6%と近い値を示した。一方でChoi criteriaで評価を行った場合には奏効率は47%・47%と上昇しており、mRECISTでの評価よりも早期に奏効が得られる症例が増えており、内部血流低下を鋭敏に検知できていることが証明された。また、動脈相のヨードマップで腫瘍内部のCT値を測定すると治療前36.9に対して1ヶ月後28.2、2ヶ月後19.6と減少していた。
上記の結果から、少数例での検討ではあるがヨードマップで肝細胞癌内部のヨード値を測定することでレンバチニブの治療効果である腫瘍新生血管の阻害効果を適切に評価できることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K08199
ID情報
  • 課題番号 : 19K08199
  • 体系的課題番号 : JP19K08199