2019年4月 - 2023年3月
生活困窮者の就労継続・阻害要因に関する実証的研究(研究代表者)
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究の目的は、「生活困窮者の就労継続・阻害要因について明らかにし、地域での自立した生活を継続するための支援の方策について検討すること」である。本研究では、わが国において研究の蓄積が少ない、ホームレス状態にある(あった)人の就労継続・阻害要因に着目することとした。
2019年度(初年度)は、過去の科研の調査から協力をしていただいている、大阪市のホームレス自立支援センターをフィールドとし、引き続き利用者の個票データの入力・分析を行った。2015年4月~2019年3月末までの利用者613件のデータを整備することができた。アクセスの難しい対象者といえるホームレス状態にある人々のデータが、これだけの規模で整備できたことは、本年度の一番の研究実績といえる。
分析の結果、利用者の中に社会的な不利を経験している、あるいは現在も抱えている層が一定数いることが明らかになった。利用者のうち、幼少期の施設利用経験は約1割にのぼり、親の離死別経験に至っては利用者の半数以上が経験していた。また、少なく見積もっても、利用者の2割が、知的な障害あるいはメンタルヘルスの問題を抱えていることも明らかになった。これらの結果は、現場レベルでは経験的に知られていたことであるが、具体的な数値としてあらわすことができたことは、大きな研究の成果といえる。
なお、これらの結果は、当該機関から出される報告書の一部に収録済みであり、研究の一部を現場に還元するかたちで発表済みである。今後は、より詳細な分析を行い、学会発表、論文化へと作業を進めていく予定である。
2019年度(初年度)は、過去の科研の調査から協力をしていただいている、大阪市のホームレス自立支援センターをフィールドとし、引き続き利用者の個票データの入力・分析を行った。2015年4月~2019年3月末までの利用者613件のデータを整備することができた。アクセスの難しい対象者といえるホームレス状態にある人々のデータが、これだけの規模で整備できたことは、本年度の一番の研究実績といえる。
分析の結果、利用者の中に社会的な不利を経験している、あるいは現在も抱えている層が一定数いることが明らかになった。利用者のうち、幼少期の施設利用経験は約1割にのぼり、親の離死別経験に至っては利用者の半数以上が経験していた。また、少なく見積もっても、利用者の2割が、知的な障害あるいはメンタルヘルスの問題を抱えていることも明らかになった。これらの結果は、現場レベルでは経験的に知られていたことであるが、具体的な数値としてあらわすことができたことは、大きな研究の成果といえる。
なお、これらの結果は、当該機関から出される報告書の一部に収録済みであり、研究の一部を現場に還元するかたちで発表済みである。今後は、より詳細な分析を行い、学会発表、論文化へと作業を進めていく予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K13950
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
3-
都市問題 114(2) 52-62 2023年2月 招待有り筆頭著者責任著者
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貧困研究 28 66-77 2022年6月 査読有り筆頭著者
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European Journal of Homelessness Volume 16(1) 81-99 2022年5月 査読有り筆頭著者
MISC
2-
調査情報デジタル 2022年12月 招待有り筆頭著者
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賃金と社会保障 1775 2021年4月 筆頭著者
書籍等出版物
2-
Edward Elgar Pub 2024年8月10日 (ISBN: 1800883404)
-
中央法規出版 2022年9月20日 (ISBN: 4805887729)
講演・口頭発表等
2-
17th European Research Conference on Homelessness 2023年9月15日
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15th European Research Conference on Homelessness 2021年9月24日