共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

プロテアソームを中心とした分解ネットワークの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03993
体系的課題番号
JP18H03993
配分額
(総額)
44,070,000円
(直接経費)
33,900,000円
(間接経費)
10,170,000円

これまでプロテアソームによるタンパク質分解はユビキチン化反応が律速であり、ユビキチン化されれば一義的にプロテアソームで分解されると考えられてきた。しかし近年、ユビキチンデコーダー(情報解読)分子群による基質選別機構やアクセサリー分子群によるプロテアソーム活性の巧妙な制御機構が存在することが明らかとなり、プロテアソーム研究は新時代を迎えている。本研究では、「プロテアソームを中心としたタンパク質分解の分子ネットワークマップ」を作出し、さらに「種々のストレスや細胞分化に伴うプロテアソーム分解ネットワークの変動」を解析することでプロテアソームによるタンパク質分解の統合的理解に挑戦する。
本年度は以下の成果が得られた。
1.プロテアソームを中心とした分子ネットワークマップの作出:これまで約30種類のプロテアソーム結合分子を同定しているが、本年度は2価性クロスリンカーDSSOを用いたクロスリンクIP/MS解析に着手し、プロテアソームと各結合分子の直接の相互作用部位を決定することに成功した。
2.種々のストレスに伴うプロテアソーム分解ネットワークの変動:高浸透圧ストレス刺激に応答してプロテアソームが核内で液-液相分離しタンパク質分解のための液滴を形成することをNature誌に発表した。また、ATP枯渇時に形成するプロテアソーム液滴についても形成機構の一部を解明した。
3.ES細胞特異的プロテアソーム結合分子の解析:内在性のプロテアソームサブユニット遺伝子にEGFP-3xFLAGタグ配列をノックインしたマウスES細胞をin vitroで分化させ、IP/MS解析により両者のプロテアソーム結合分子を網羅的に比較したところ、分化後に減少する分子(UCHL5など)、増加する分子(KIAA0368など)が同定され、分化に伴うプロテアソームの変化が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03993
ID情報
  • 課題番号 : 18H03993
  • 体系的課題番号 : JP18H03993