2017年6月30日
ガミースマイルを伴う上顎前突症例における歯科矯正用アンカースクリューの有用性
東北大学歯学雑誌
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- 巻
- 35/36
- 号
- 2/1
- 開始ページ
- 98
- 終了ページ
- 108
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 東北大学歯学会
ガミースマイル、過大なオーバージェット、オーバーバイトを有する症例に対して、歯科矯正用アンカースクリューを固定源として用いることにより、良好な治療結果を得たので報告する。ガミースマイルを呈し、過大なオーバージェット、オーバーバイト、過大な上顎前歯部高、臼歯部高を有する、骨格性I級、Angle I級、の上顎前突症例と診断し、叢生および口元の突出の改善のため、上下顎小臼歯抜歯を伴うエッジワイズ治療を計画した。上顎前歯の後方への牽引、圧下の際の絶対固定源として歯科矯正用アンカースクリューを併用した。治療の結果、歯科矯正用アンカースクリューを固定源とすることにより、臼歯のアンカレッジロスをほとんど起こすことなく上顎前歯の牽引を行うことができ、良好な前歯部被蓋と臼歯関係、側貌を確立することができた。また、上顎前方部にも歯科矯正用アンカースクリューを用いたことにより、上顎切歯を積極的に圧下しながら後方へ牽引でき、ガミースマイルの改善も行うことができた。機能的にも、咬合力の上昇や、下顎頭移動距離の増加などの改善が認められ、審美的、形態的、機能的に良好な治療結果を得た。これらのことから、ガミースマイル、上顎前突の改善において歯科矯正用アンカースクリューは有用であることが示唆された。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0287-3915
- 医中誌Web ID : S522340015
- J-Global ID : 201802289257753132