共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

極小金ナノ粒子を基盤とした微小がんの検出および放射線治療技術の開発研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K12749
体系的課題番号
JP19K12749
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

既報に従って極小サイズの金ナノ粒子の合成した。表面修飾剤として2-メルカプトエタノール、3-メルカプトプロピオン酸、2-アミノプロピオン酸を種々の割合で組み合わせたものを反応させて、官能基による表面電荷の状態の変化を電気泳動法によって評価した。その結果、これらの表面修飾剤の組み合わせにより、表面電荷密度および電荷の正負を自在にコントロールできることが示された。また、合成した金ナノ粒子の分散液は含有する金原子の濃度に比例してCT造影効果を示し、表面修飾がCT値に与える影響はほぼ無視できるレベルであった。さらに、この金ナノ粒子を用いて細胞への毒性試験を行い、適正な濃度範囲の評価を行った。いずれの表面修飾剤を用いた場合でも、極小金ナノ粒子はCTで造影可能な濃度範囲では細胞株の剥離・増殖抑制が見られ、毒性を発揮することが示唆された。これは金ナノ粒子1つ1つのサイズが小さいために表面活性が高いこと、さらに浸透圧への影響が無視できないことなどが原因と考えられる。これは金ナノ粒子を10nm以上の足場に固定することで問題解決可能であると予想される。一方で、これらの極小金ナノ粒子はマウスの静脈への投与後には速やかに腎排泄されることがわかった。また、表面電荷密度が低く、負に帯電している粒子ほど細胞網内系や組織への沈着が抑制されることが示唆される結果となった。今後は速やかに腎排泄されるアニオン性表面の極小金ナノ粒子を用いて、10~20nmの凝集体を作製し、細胞毒性試験および動物実験においてその有用性について評価する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K12749
ID情報
  • 課題番号 : 19K12749
  • 体系的課題番号 : JP19K12749