共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年 - 2003年

3次元における対称性: 量子的アプローチ

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
03F00020
体系的課題番号
JP03F00020
配分額
(総額)
1,200,000円
(直接経費)
1,200,000円

p≧2を整数とし,Gを位数pの有限巡回群をする.Gが向き付けられた閉3次元多様体Mに,円周を不動点として半自由に働くときに限り,Mは周期的であると言う.この研究の目的は3次元多様体の周期性の判定方法を見つけることである.具体的には,この20年間に発見された位相不変量を使って,3次元多様体が周期的になるための必要条件を与えることである.
3次元球面内の絡み目Lは,z車由の周りの位数pの標準的な回転に関して不変であるときに限りp-周期的であると言う.Lの商絡み目の各成分と回転軸の絡み数がpを法として0であるとき,絡み目Lは強p-周期的であると言う.強周期的絡み目と周期的3次元多様体の関係はPrzytyckiとSokolovによって与えられている.つまり,3次元多様体がp-周期的であるための必要十分条件は,3次元球面から強p-周期的絡み目の手術で得られることである.
本研究で得られた最初の結果は,絡み目が強p-周期的となるための必要条件である.つまり,絡み目Lが素数p-に対して強p-周期的なら,乙のConway多項式の2番目の係数がp-を法として0となる.
Mを,3次元球面から枠付き絡み目Lの手術で得られた3次元多様体とする.Lescopは,Casson-Walker不変量を,Lの部分絡み目のAlexander多項式,絡み数,および枠で表す公式を得た.この式を強周期的絡み目に適用することにより,周期的3次元多様体のCasson-Walker-Lescop不変量は,(p-を法として)Lの絡み行列の符号数と1次元ホモロジー群の位数にしかよらないことがわかる.Betti数が0でない周期的多様体に限れば,Casson-Walker-Lescop不変量はp-を法として0となることがわかる.その応用として,3次元トーラスはすべての素数p>3に対して周期的ではないことがわかる.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-03F00020
ID情報
  • 課題番号 : 03F00020
  • 体系的課題番号 : JP03F00020