PET(Positron Emission Tomography:陽電子放射型断層撮像法)分野において,リストモードデータは,主に生理学的パラメータを推定するために用いられている.しかし,データの持つ時間的,空間的な性質を考慮すれば,代謝状態に応じて特定の臓器や組織に取り込まれるRI(Radio Isotope:放射性同位元素)トレーサの経時的な変化も抽出できると考えられる.本研究では,シミュレーションとファントム実験によって得られたリストモードデータに対して,密度分布に基くクラスタリング手法を適用し,RIトレーサ動態の軌跡抽出を試みた.結果として,時間と共に移動するRIトレーサに対応した重心軌跡を抽出できることが確認された.