共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

一細胞データから遺伝子の制御構造を定量推定するための確率・統計理論の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K14361
体系的課題番号
JP20K14361
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

2021年度は、前年度に引き続き、転写のオンオフ状態の非マルコフ的な状態遷移を考慮した遺伝子発現モデル(N状態カテゴリカル過程とジャンプ型マルコル過程の連立系)、およびその確率密度関数が満たす時間発展方程式(一般化フォッカープランク方程式)の定常確率分布の導出を実施した。前年度までの解析により、この確率モデルはラプラス空間において一般超幾何級数により記述できることが分かっている。しかしながら、これを逆変換して確率モデルを陽に表示する方法は未解決である。2021年度は前年度に報告者が発見した複素関数論とポストの理論(Post, 1930)を組み合わせた方法を用いて、特殊な場合(N = 1, 2)については確率モデルの解表示が得られることを示した。また、一般の場合(N >= 3)にも、形式的には一般超幾何級数をラプラス逆変換できることが分かった。しかし、一般の場合については、解表示の導出まではできていないため、2022年度も継続する予定である。他方、導出した確率モデルのパラメータ推定法の開発も継続する。これまで公開されている大腸菌と出芽酵母の遺伝子発現データおよびシングルセルRNAシーケンスデータに焦点を当て、条件付きモーメントを利用したパラメータ推定法の開発を行ってきたが、計算時間の面からまだ実用化には至っていない。2022年度は近年注目されている多様体上のマルコフ連鎖モンテカルロ法の理論を応用することで、より効率的な計算法の開発を行う。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K14361
ID情報
  • 課題番号 : 20K14361
  • 体系的課題番号 : JP20K14361

この研究課題の成果一覧

受賞

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