2019年4月 - 2022年3月
ガスの収納と放出を可能とする分子膜被覆による機能化ファインバブルの創製
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
オンコンプレックス膜で分子膜被覆したバブルの安定化機構の解明に取り組んだ。昨年度までの実験で,被覆分子の組み合わせにより膜被覆バブル同士が一つになる,いわゆる「合一」現象を捉えたことを端緒として,膜被覆バブル同士の合一について,その形成メカニズムについて調査した。また,安定性の評価と並行して,膜中分子の酸化還元反応をトリガーとして,分子膜被覆バブルを意図的に崩壊させる(ガス放出)機構の構築実験も行った。
バブルを分子膜被覆する際の一層目の被覆分子として,正・負電荷を有する双性分子(ベタイン),二層目の被覆分子として正電荷を有する分子(ポリアリルアミン)を組み合わせた場合,形成される分子膜被覆バブル同士が合一する。この合一現象は,複数回にわたり起こる場合があり,数珠繋ぎもしくはブドウの房のようなクラスター状態へと成長していくことが分かった。また,このようなクラスター状態は,分子膜被覆バブル同士の合一が見られない,一層目に正電荷分子(ビピリジニウム),二層目に負電荷分子(ポリスチレンスルホン酸イオン)の組み合わせで形成される分子膜被覆バブルの場合においても,溶液中にマグネシウムイオンやカルシウムイオンなどの2価の陽イオンを加えた際にも観測されることが分かった。分子膜被覆バブルの最外殻の表面電荷を,吸着分子,もしくは後からの荷電イオン添加により制御することで合一・非合一を制御できることを示唆するデータが得られる。この結果は,ガスを収納した分子膜被覆バブル同士をクラスター化させ,所定の容積内に高密度化して保存するようなニーズに展開が期待できる。
バブルを分子膜被覆する際の一層目の被覆分子として,正・負電荷を有する双性分子(ベタイン),二層目の被覆分子として正電荷を有する分子(ポリアリルアミン)を組み合わせた場合,形成される分子膜被覆バブル同士が合一する。この合一現象は,複数回にわたり起こる場合があり,数珠繋ぎもしくはブドウの房のようなクラスター状態へと成長していくことが分かった。また,このようなクラスター状態は,分子膜被覆バブル同士の合一が見られない,一層目に正電荷分子(ビピリジニウム),二層目に負電荷分子(ポリスチレンスルホン酸イオン)の組み合わせで形成される分子膜被覆バブルの場合においても,溶液中にマグネシウムイオンやカルシウムイオンなどの2価の陽イオンを加えた際にも観測されることが分かった。分子膜被覆バブルの最外殻の表面電荷を,吸着分子,もしくは後からの荷電イオン添加により制御することで合一・非合一を制御できることを示唆するデータが得られる。この結果は,ガスを収納した分子膜被覆バブル同士をクラスター化させ,所定の容積内に高密度化して保存するようなニーズに展開が期待できる。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K04205
- 体系的課題番号 : JP19K04205
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
混相流 36(1) 115-119 2022年3月15日 査読有り筆頭著者責任著者
講演・口頭発表等
4-
第31回日本MRS年次大会 2021年12月15日
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混相流シンポジウム2021 2021年8月23日
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第58回化学関連支部合同九州大会 2021年7月3日
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第30回日本MRS年次大会 2020年12月10日