共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

金属アミドボラン再生方法の基礎研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K00627
体系的課題番号
JP17K00627
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,810,000円
(直接経費)
3,700,000円
(間接経費)
1,110,000円

アンモニアボラン(AB:NH3BH3)は単純な分子構造のため重量当たりの水素密度が約20%と水素吸蔵合金の10倍以上である。ABの課題として水素加圧では再水素化できないことが挙げられる。申請者らはこれまでABから水素放出後に生成するポリボラジレンを液体アンモニア・ヒドラジン中で24時間保持するだけで水素が再充填されることを見出した。本研究では、アンモニアボラン同様高水素密度な水素貯蔵材料として注目されている金属アミドボラン(MAB)の水素再充填(再生)技術の開発をめざし、MABの再生反応メカニズム解明を目的とした。
水素化リチウムとアンモニアボランを反応させて、リチウムアミドボラン(LiAB)を合成した。続いてLiABを200 ℃に加熱して2当量の水素を放出させて得た生成物([LiNBH]xと考えられる)をヒドラジン-液体アンモニア混合液中で40 ℃、24時間反応させ再生を試みた。数回再生処理後を試みたにも関わらずLiABの存在は認められなかった。
そこで、LiABから90 ℃1当量の水素を放出させて合成した分解生成物を、THF中でヒドラジンと反応させた。分解生成物の11B-溶液NMRから、LiAB前駆体の生成が示唆された。また、分解生成物を液体アンモニアと反応させた場合もLiAB前駆体の生成が示唆され、アンモニアボラン水素放出試料を液体アンモニアと反応させた時に生成するB(NH2)3が観測されたた。以上から、LiABからの水素放出後に得られる分解生成物を再生するためには、水素放出量は1当量とする必要があり、その再生過程はアンモニアボランを経るものと考えられる。
金属アミドボランのスクリーニングを行うべく、種々の金属アミドボラン単相の合成を試みた。しかしながら金属アミドボラン合成技術は確立したものの単相は得られず、精製が困難であったため、単相の合成方法を確立する必要がある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K00627
ID情報
  • 課題番号 : 17K00627
  • 体系的課題番号 : JP17K00627

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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