書籍等出版物

2012年1月

『日本三学受容史研究』


出版者・発行元
永田文昌堂

学位請求論文に、若干の加筆を行って出版した。日本における仏教史叙述の原点とされる虎関師錬の『元亨釈書』を通じて見た、日本仏教受容の歴史像に関する研究である。禅僧として古代的な三学の超克をめざしていた虎関師錬と、あくまでそれ以前の三学大系の中に身を置く東大寺の凝然。この二人の紡いだ仏教史像の検討から出発して、古代仏教において三学の一領域としての戒律・禅行がどのように受容されていったかを飛鳥時代から奈良朝にかけての制度の変遷とのかかわりの中で分析した。最初の著書『日本古代仏教制度史研究』(1988年10月刊)と一貫する問題意識に根ざしている。(全680頁)