荒木 芳生
Yoshio Araki
更新日: 03/12
基本情報
- 学位
-
医学博士(名古屋大学大学院)
- J-GLOBAL ID
- 201301059689905728
- researchmap会員ID
- 7000006255
臨床面
1.治療困難な脳動脈瘤治療
根治が難しい大型〜巨大動脈瘤を中心に治療にあたっています。これらの動脈瘤に対してはシンプルクリッピングでは対応が困難であり、マルチプルクリッピングや血管形成的クリッピング、また、バイパス併用クリッピングなど応用的技術が要求されるため、術前の詳細な画像シミュレーションやシリコンチューブモデルを用いた周到な準備をしています。さらに動脈瘤の形状や分枝血管の癒着、血栓化動脈瘤など、クリッピング術のみでは制御が難しい動脈瘤に対しては、flow alterationやflow reductionなどの血行力学的に動脈瘤への負担を減らすようなデザインにより増大や破裂の予防を試みています。血管内治療グループと協力し、コイル塞栓術とflow alterationを組み合わせた治療を計画することもあります。
2.バイパス術
STA-MCA bypassなどのlow-flow bypassからECA-RA-MCA bypassなどの高流量バイパスまで対応可能です。もやもや病のように血管壁が非常に脆弱な血管から深部の血管まで治療経験があります。もやもや病に対するバイパス術において、特に乳幼児の症例では対象血管が極めて細く脆弱であるため、より精細な技術が必要ですが、私どもが確立しているoff-the-jobトレーニングにより高い成功率でバイパスを行うことが可能となっています。一方、深部血管へのバイパスは頭蓋底外科手技の応用により広い術野を得ることで確実性が向上します。私たちのグループでは、以下に記載するCALNAでのトレーニング(cadaver simulation training: CST)により頭蓋底技術を習得することで頭蓋底深部病変や深部血管へのバイパス術が可能となっています。
3.もやもや病
乳幼児から成人まで中部地区では有数の治療経験があります。特に小児例については周術期の厳格な管理を要するため、小児脳神経外科グループと共同で治療にあたり安全性を担保します。多くの症例でバイパス術を含む直接間接複合血行再建術を安全に施行できており、術後の新規脳卒中罹患を予防する有効な治療となっています。臨床研究として、全国規模の登録研究に参加しており、最新の治療を提供できる体制になっています。同時に、当グループ独自でも、MRIを使用した血管壁の造影効果の評価による進行予測モデルの確立を目指しています。また、これまでの多くのデータの蓄積から得られる知見から、より安全な手術、周術期管理を行えるように検討しています。基礎研究では以下に記載するように、手術時に得られる脳脊髄液や脳血管、硬膜検体などを用いて病態解明に向けた取り組みを行っています。
また、もやもや病患者と家族の会(もやの会)中部ブロックと密に連携し、毎年2回、医療講演会・相談会を開催し、より多くの患者さんや家族の方への最新の知見の提供を行います。今後は中部地区の中核として産科、精神科、地域医療センター等とも協力のうえ「もやもや病治療センター」を立ち上げたいと考えています。
4.脳動静脈奇形(AVM)
脳動静脈奇形に対しては集学的治療(外科手術、血管内治療、ガンマナイフ)を積極的に取り入れ、最小限の侵襲で最大限の効果を得ることを目標としています。外科手術は基本的に全例ハイブリッドOR(血管撮影装置を備えた手術室)で行い、摘出の精度を高めています。手術だけでなく、データ集積にも力を入れており、国内屈指の症例数を誇る名古屋大学脳神経外科および福島県立医科大学同門全体における治療成績を収集するべく「Nagoya-Fukushima AVM Registry」を立ち上げる予定です。
教育面
当院では運営委員長の若林俊彦教授や石黒直樹病院長、解剖学講座等の御支援により「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に準拠したClinical Anatomy Laboratory Nagoya (CALNA)が設立されました。わたしは実務委員長として発足当初からCALNAと関わってきています。CALNAの目的は医師がご献体を用いて詳細な臨床解剖知識獲得と手術手技向上を修練することです。定期的に手術手技セミナーを開催することで症例数の少ない高難易度手術における安全性を高めています。CALNA所有の手術用顕微鏡(PICO, Carl Zeiss社)に3Dカメラシステムを導入することにより、より多くの医師への解剖・手術教育が可能となってきました。また最近では、名古屋大学脳神経外科同門の専攻医の先生からベテランの先生にもセミナーに参加いただき、基礎的手技から応用技術も含めて段階に応じてトレーニングできる機会が得られています。一方、CALNAは以上のような教育的側面だけではなく、ご遺体を用いて、新規手術アプローチの開発や医療機器開発などの研究的側面も持ち合わせています。現在、経前方錐体骨アプローチによる深部バイパスや、脳神経外科領域における最適なThiel固定法の開発、いわゆるドライラボ(3Dモデル、バーチャルシミュレーター)とウエットラボであるご遺体とのトレーニング効果の比較検討(Nagoya University Neurosurgical Skill Validation Program (NU-NSVP))などの研究も開始しています。CALNAでは本年、厚労省実践的手術手技向上事業の事業者に選定され公的予算配分が得られました(初年度710万円)。また名古屋大学からも、教育奨励費として予算をいただくことができました(初年度 48万円)。これらの予算を有効に活用して年間約10回のセミナー開催を目標に現在、参画している各診療科からの開催の要望に応えています。
研究面
1.もやもや病
・もやもや病患者脳脊髄液中に有意に発現しているProenkephalin143-148断片ペプチドの濃度測定(Sandwich ELIZA)および機能解析
・もやもや病患者STA/MCAの発現解析(total RNA/genome DNA)
・国立循環器病研究センター・京大環境衛生学講座との共同研究
RNF213 knock-outマウスを用いた脳血管壁造影効果の検討
・RNF213 genotypingと臨床データとの関連性の検討
1.治療困難な脳動脈瘤治療
根治が難しい大型〜巨大動脈瘤を中心に治療にあたっています。これらの動脈瘤に対してはシンプルクリッピングでは対応が困難であり、マルチプルクリッピングや血管形成的クリッピング、また、バイパス併用クリッピングなど応用的技術が要求されるため、術前の詳細な画像シミュレーションやシリコンチューブモデルを用いた周到な準備をしています。さらに動脈瘤の形状や分枝血管の癒着、血栓化動脈瘤など、クリッピング術のみでは制御が難しい動脈瘤に対しては、flow alterationやflow reductionなどの血行力学的に動脈瘤への負担を減らすようなデザインにより増大や破裂の予防を試みています。血管内治療グループと協力し、コイル塞栓術とflow alterationを組み合わせた治療を計画することもあります。
2.バイパス術
STA-MCA bypassなどのlow-flow bypassからECA-RA-MCA bypassなどの高流量バイパスまで対応可能です。もやもや病のように血管壁が非常に脆弱な血管から深部の血管まで治療経験があります。もやもや病に対するバイパス術において、特に乳幼児の症例では対象血管が極めて細く脆弱であるため、より精細な技術が必要ですが、私どもが確立しているoff-the-jobトレーニングにより高い成功率でバイパスを行うことが可能となっています。一方、深部血管へのバイパスは頭蓋底外科手技の応用により広い術野を得ることで確実性が向上します。私たちのグループでは、以下に記載するCALNAでのトレーニング(cadaver simulation training: CST)により頭蓋底技術を習得することで頭蓋底深部病変や深部血管へのバイパス術が可能となっています。
3.もやもや病
乳幼児から成人まで中部地区では有数の治療経験があります。特に小児例については周術期の厳格な管理を要するため、小児脳神経外科グループと共同で治療にあたり安全性を担保します。多くの症例でバイパス術を含む直接間接複合血行再建術を安全に施行できており、術後の新規脳卒中罹患を予防する有効な治療となっています。臨床研究として、全国規模の登録研究に参加しており、最新の治療を提供できる体制になっています。同時に、当グループ独自でも、MRIを使用した血管壁の造影効果の評価による進行予測モデルの確立を目指しています。また、これまでの多くのデータの蓄積から得られる知見から、より安全な手術、周術期管理を行えるように検討しています。基礎研究では以下に記載するように、手術時に得られる脳脊髄液や脳血管、硬膜検体などを用いて病態解明に向けた取り組みを行っています。
また、もやもや病患者と家族の会(もやの会)中部ブロックと密に連携し、毎年2回、医療講演会・相談会を開催し、より多くの患者さんや家族の方への最新の知見の提供を行います。今後は中部地区の中核として産科、精神科、地域医療センター等とも協力のうえ「もやもや病治療センター」を立ち上げたいと考えています。
4.脳動静脈奇形(AVM)
脳動静脈奇形に対しては集学的治療(外科手術、血管内治療、ガンマナイフ)を積極的に取り入れ、最小限の侵襲で最大限の効果を得ることを目標としています。外科手術は基本的に全例ハイブリッドOR(血管撮影装置を備えた手術室)で行い、摘出の精度を高めています。手術だけでなく、データ集積にも力を入れており、国内屈指の症例数を誇る名古屋大学脳神経外科および福島県立医科大学同門全体における治療成績を収集するべく「Nagoya-Fukushima AVM Registry」を立ち上げる予定です。
教育面
当院では運営委員長の若林俊彦教授や石黒直樹病院長、解剖学講座等の御支援により「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に準拠したClinical Anatomy Laboratory Nagoya (CALNA)が設立されました。わたしは実務委員長として発足当初からCALNAと関わってきています。CALNAの目的は医師がご献体を用いて詳細な臨床解剖知識獲得と手術手技向上を修練することです。定期的に手術手技セミナーを開催することで症例数の少ない高難易度手術における安全性を高めています。CALNA所有の手術用顕微鏡(PICO, Carl Zeiss社)に3Dカメラシステムを導入することにより、より多くの医師への解剖・手術教育が可能となってきました。また最近では、名古屋大学脳神経外科同門の専攻医の先生からベテランの先生にもセミナーに参加いただき、基礎的手技から応用技術も含めて段階に応じてトレーニングできる機会が得られています。一方、CALNAは以上のような教育的側面だけではなく、ご遺体を用いて、新規手術アプローチの開発や医療機器開発などの研究的側面も持ち合わせています。現在、経前方錐体骨アプローチによる深部バイパスや、脳神経外科領域における最適なThiel固定法の開発、いわゆるドライラボ(3Dモデル、バーチャルシミュレーター)とウエットラボであるご遺体とのトレーニング効果の比較検討(Nagoya University Neurosurgical Skill Validation Program (NU-NSVP))などの研究も開始しています。CALNAでは本年、厚労省実践的手術手技向上事業の事業者に選定され公的予算配分が得られました(初年度710万円)。また名古屋大学からも、教育奨励費として予算をいただくことができました(初年度 48万円)。これらの予算を有効に活用して年間約10回のセミナー開催を目標に現在、参画している各診療科からの開催の要望に応えています。
研究面
1.もやもや病
・もやもや病患者脳脊髄液中に有意に発現しているProenkephalin143-148断片ペプチドの濃度測定(Sandwich ELIZA)および機能解析
・もやもや病患者STA/MCAの発現解析(total RNA/genome DNA)
・国立循環器病研究センター・京大環境衛生学講座との共同研究
RNF213 knock-outマウスを用いた脳血管壁造影効果の検討
・RNF213 genotypingと臨床データとの関連性の検討
論文
14-
くも膜下出血と脳血管攣縮 39-40 11-20 2025年6月
-
NMC case report journal 10 177-183 2023年
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Scientific reports 12(1) 7283-7283 2022年5月4日 査読有り
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NMC case report journal 9 289-294 2022年
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脳血管内治療 6(3) 161-168 2021年10月
-
WORLD NEUROSURGERY 126 24-29 2019年6月
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World neurosurgery 113 e190-e199-e199 2018年5月 査読有り
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脳卒中の外科 45(2) 83-88 2017年3月
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小児の脳神経 41(1) 117-117 2016年5月
-
小児の脳神経 41(1) 88-88 2016年5月
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Journal of stroke and cerebrovascular diseases : the official journal of National Stroke Association 24(5) 1013-1018 2015年5月 査読有り
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脳卒中の外科 43(3) 207-211 2015年5月
-
Neurologia medico-chirurgica 52(5) 343-5 2012年 査読有り
MISC
12-
くも膜下出血と脳血管攣縮 39/40 2025年
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脳卒中の外科 52(4) 2024年
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超音波検査技術 49(2) 2024年
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The Mt. Fuji Workshop on CVD 37 70-75 2019年7月
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脳卒中の外科 46(6) 439-444 2018年11月
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WORLD NEUROSURGERY 116 E1114-E1121 2018年8月
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The Mt. Fuji Workshop on CVD 36 39-45 2018年7月
-
The Mt. Fuji Workshop on CVD 36 39-45 2018年7月
-
小児の脳神経 43(1) 1-5 2018年3月
-
小児の脳神経 42(4) 344-349 2017年11月
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The Mt. Fuji Workshop on CVD 35 145-151 2017年7月
-
日本分子脳神経外科学会プログラム・抄録集 17th 69 2016年