共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2023年3月

超伝導量子計測を使った電波分光で探る超軽量ダークマター - その実験手法の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
20K20427
体系的課題番号
JP20K20427
配分額
(総額)
25,740,000円
(直接経費)
19,800,000円
(間接経費)
5,940,000円

銀河の重力相互作用を支配する「ダークマター」。その正体解明にむけて様々な探索実験が進行しているが、決定打となる結果はまだない。そこで、従来の常識にとらわれない超軽量ダークマター“Dark Photon Cold Dark Matter”(略してDP-CDM)の可能性が注目されている。超弦理論やインフレーション宇宙論といった理論的同期があるにもかかわらず、従来の計測技術では探索困難な質量領域が広大にある。そのため、世界中の研究者が手をこまねいているのが現状である。本研究は、最新の超伝導計測技術を駆使して、この状況を打開する。最先端の超伝導量子型センサーと超伝導共振器を組み合わせた電波分光により、DP-CDMを探索する実験手法の確立を目指す。超伝導分光のパイオニアである海外協力者と共に、研究チームの先行実績と資産を活かし、国内では実例のない研究にチャレンジしている。
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前年度に引き続き超伝導デバイスを評価する装置を使って、超伝導センサーに特有のノイズ(TLSノイズと呼ぶ)を評価・抑制する研究を行いその結果を論文発表した。超伝導分光に関しては、オンチップ・フーリエ分光方式に注目し、その試作と性能評価を引き続き行っている。
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その他、超伝導センサーを用いない実験を先行して行い、74-110 μeVの質量領域において世界最高感度での探索を達成した。この感度においてもDP-CDMは依然として未検出であったが、本研究によって探索する質量領域が拡大できるという展望を得た。これは本研究提案時に掲げていたマイルストーンの達成を意味する。なお、この実験結果の論文を学術雑誌に投稿中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K20427
ID情報
  • 課題番号 : 20K20427
  • 体系的課題番号 : JP20K20427