2019年4月 - 2023年3月
タンパク質熱変性状態の検出に立脚した生物活性物質の標的同定法
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
タンパク質の変性を検出する手法や、変性度を定量する手法を開発することを目指した。タンパク質の熱変性を検出手法は、生物活性物質の標的タンパク質同定に貢献し、その作用メカニズムを明らかにする目的で有用な手法となる。
非変性時においては、一般的にタンパク質構造中の疎水性構造はタンパク質内部構造に埋もれているが、熱変性過程において、タンパク質の表面に露出することが知られている。我々はタンパク質の疎水性アミノ酸残基の一つであるチロシン残基に着目し、これまで研究を行ってきた。我々の開発したチロシン残基特異的ラベル化反応はタンパク質表面に露出したチロシン残基上で選択的に起きるため、タンパク質の熱変性度を高精度に可視化できる手法になると考えた。従来のチロシン残基修飾剤は試薬を添加した瞬間に反応が完結するものの、水中で求電子性の分解物が生じるため、チロシン残基以外のアミノ酸残基を修飾してしまう副反応が問題であった。そこで、ウラゾール骨格の化合物の誘導化とペプチドを用いた評価実験を通じて、本研究目的に適したチロシン残基修飾剤を見出すことに成功した。
また、昨年度の本研究の副次的な成果によって、タンパク質のヒスチジン残基を修飾する手法の開発に成功した。チロシン残基、ヒスチジン残基修飾法のそれぞれの反応条件を検討し、反応効率の向上、実験操作簡便性の向上に成功した。それぞれの芳香族アミノ酸残基修飾法について、被標識残基をタンパク質部位レベルで解析し、タンパク質表面への残基露出度との相関性が示唆される結果を得た。
非変性時においては、一般的にタンパク質構造中の疎水性構造はタンパク質内部構造に埋もれているが、熱変性過程において、タンパク質の表面に露出することが知られている。我々はタンパク質の疎水性アミノ酸残基の一つであるチロシン残基に着目し、これまで研究を行ってきた。我々の開発したチロシン残基特異的ラベル化反応はタンパク質表面に露出したチロシン残基上で選択的に起きるため、タンパク質の熱変性度を高精度に可視化できる手法になると考えた。従来のチロシン残基修飾剤は試薬を添加した瞬間に反応が完結するものの、水中で求電子性の分解物が生じるため、チロシン残基以外のアミノ酸残基を修飾してしまう副反応が問題であった。そこで、ウラゾール骨格の化合物の誘導化とペプチドを用いた評価実験を通じて、本研究目的に適したチロシン残基修飾剤を見出すことに成功した。
また、昨年度の本研究の副次的な成果によって、タンパク質のヒスチジン残基を修飾する手法の開発に成功した。チロシン残基、ヒスチジン残基修飾法のそれぞれの反応条件を検討し、反応効率の向上、実験操作簡便性の向上に成功した。それぞれの芳香族アミノ酸残基修飾法について、被標識残基をタンパク質部位レベルで解析し、タンパク質表面への残基露出度との相関性が示唆される結果を得た。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H02848
- 体系的課題番号 : JP19H02848
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
3-
第3回COI学術交流会 2020年7月2日
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⽇本化学会第100春季年会 2020年3月22日
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2019年度LiHub創薬技術革新Gワークショップ 「異分野融合による創薬研究」 2020年1月31日