基本情報

所属
島根大学 学術研究院農生命科学系 教授
学位
博士(理学)(大阪大学大学院)

J-GLOBAL ID
201401002649762857
researchmap会員ID
7000007167

外部リンク

コウモリダコは中生代に繁栄した古いタコの系統の生き残りで、現在は深海に生息している希少な種類です。我々は日本近海で得られたコウモリダコの全ゲノム配列を世界で初めて解読しました。コウモリダコのゲノムは、他のタコと比べて巨大化しており、想定外に巨大な12 Gbpであることがわかりました。コウモリダコのゲノムはLINEという機能のない転移因子の増幅によって巨大化しており、この特徴はタコよりもむしろイカ類に類似しているものです。また、遺伝子シンテニー解析を用いたゲノム比較においても、タコよりもイカ類と似た痕跡が発見されました。本研究から得られた意外な発見として、深海性の頭足類が古代に起こったゲノム進化の特徴を長年に渡って保持していたことです。これは、さらに古い系統であるオウムガイ(Nautilus pompilius)のゲノムにおいても同様で、保存されたゲノム構造を持つことと共通しています。つまり、深海に生息する「生きた化石」のゲノム解読は、現生の頭足類の急進的な進化を明らかにする古い時代に起こったゲノム進化の手がかりを与えてくれます。

イカ・タコの仲間(頭足類)は一般に、生殖後に一斉かつ急激に死ぬという‘自殺的生殖’と呼ばれる特異な寿命特性を示す。これは魚や哺乳類の一部でも見られる繁殖方法である。ヒメイカとダイオウイカがそれぞれ頭足類の中で短命であるものと長命であるものの両極端である。ダイオウイカは成熟におよそ3年かかり、一度きりの自殺的生殖を行うのに対して、ヒメイカは3ヶ月間の寿命の間、間欠的に産卵を続ける。これは自殺的生殖を行う種では生殖を制御する機構と老化機構がリンクしているが、ヒメイカでは生殖と老化は異なり、別々の遺伝子の発現機構に依拠していることを示唆している。これらの特性の異なる種間の比較と、繁殖の前後という状態の比較のオミクス解析を組み合わせて、寿命の謎のゲノミクスに迫りたいと考えている。


委員歴

  3

主要な論文

  58

MISC

  18

書籍等出版物

  5

共同研究・競争的資金等の研究課題

  11