大動脈弁石灰化(AVC)と核磁気共鳴(NMR)で測定したリポ蛋白粒子との関連について、AVCと脂質の標準指標との関連と比較検討した。リポ蛋白粒子[低比重リポ蛋白(LDL)粒子(nmol/L)および高比重リポ蛋白(HDL)粒子(μmol/L)]と、LDLコレステロール(LDL-C)およびHDLコレステロール(HDL-C)(いずれもmg/dL)について検討した。2006年〜2008年に滋賀県草津市在住者から40〜79歳の日本人男性を無作為に抽出し、1094名が本研究への参加に同意した(参加率46%)。Agatstonスコア>0をAVCありと判定した。リポ蛋白粒子はNMR分光法にて測定した。脂質の第1四分位群に対する第4四分位群のAVCの多変量調整オッズ比(OR)と95%CIを求めた。874例(平均63.3±10.0歳)を解析した。AVCを認めたのは153名であった。第4四分位群のAVCの調整OR(95%CI)は、LDL粒子で2.20(1.23〜3.93)、LDL-Cで2.16(1.23〜3.78)であった。HDL粒子およびHDL-CはAVCと関連がなかった。以上から、NMRで測定したLDL粒子とAVCとの関連は、LDL-CとAVCとの関連と同等であった。