腹腔鏡下手術を行ったBody Mass Index 30kg/m2以上の肥満合併子宮体癌14例を対象として、術前減量入院の有効性を検討した。減量入院施行群は7例で入院期間の中央値は23日であり、周術期合併症や手術時間、出血量などの周術期アウトカムにおいて非施行群7例に対する優位性は示されなかったが、非施行群に比べて体重は有意に減少し、術前のインスリン離脱など併存症の改善もみられた。初診または子宮体癌判明から手術までに要した日の中央値は67日と非施行群よりも長い傾向にあったが、その間に原病の進行が疑われた症例や、急激な体重減少による低栄養などの副作用を認めた症例はなかった。また、全例予定通りの術式を完遂でき、予期せぬ開腹移行例や特記すべき周術期合併症は認めなかった。高度な肥満を有する子宮体癌の術前には減量入院を積極的に考慮すべきであることが示唆された。