共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

近代日本におけるキリスト教会の立地と都市形成の相互関係に関する地理学的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K01166
体系的課題番号
JP20K01166
配分額
(総額)
1,040,000円
(直接経費)
800,000円
(間接経費)
240,000円

2021年度の実績は次の通りである。
1916年~1940年の京都市、大阪市、神戸市、名古屋市および各府県内全体における教会の立地状況のデータベースを『基督教年鑑』を用いて構築、完成させた。その結果、各都市内部と府県内の細かい立地状況とその変遷を検討することが可能になった。また、プロテスタントの各教団の詳細な立地状況も検討可能になった。そして、各教団の都市部での教会立地の戦略、言い換えればキリスト教伝道の空間的戦略が都市内部の空間の変化(市街地の拡大や再開発など)と関連する可能性が示された。
すなわち、本研究の意義の二本柱である①近代日本の他の都市における教会の立地状況とその動態的変化(定量的研究)と、②都市空間内部の社会経済的構造と教会立地との詳細な相互関係(定性的研究)の解明に向けての道筋が前年度よりも一層明確に示されてきたと考えられる。
①および②に関する研究成果のうち、論文および書籍は次のとおり。(1)2020年度にキリスト教史学会西日本部会にて発表した内容を踏まえて京都市と大阪市の比較研究を投稿し、2021年7月発行の『キリスト教史学』に研究ノートとして掲載された。(2)近代奄美大島の地方都市の景観復原の中で教会の立地が都市の景観と社会に与える影響について検討した内容が『月刊地理』に掲載された。(3)地方都市の教会所蔵の写真資料から教会に関係する都市景観の復元を含めた視覚資料の利用と解釈の試論が『佛教大学歴史学部論集』に掲載された。(4)奄美大島の地方都市での教会と都市を含む地域社会との関係の変化について共著『「政治」を地理学する』の担当章を執筆した。学会発表は次のとおり。(1)2021年8月の歴史地理学会にて京都市、大阪市、そして神戸市の比較研究の一部を発表した。(2)同年11月の人文地理学会において先述の三都市に名古屋市を加えた成果の一部を発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K01166
ID情報
  • 課題番号 : 20K01166
  • 体系的課題番号 : JP20K01166