2006年
瀬戸内海に存在するリン・窒素量の経年変動(シンポジウム:沿岸海域に存在する外洋起源のリン・窒素)
沿岸海洋研究
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- 巻
- 43
- 号
- 2
- 開始ページ
- 129
- 終了ページ
- 136
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本海洋学会沿岸海洋研究部会
瀬戸内海に流入する窒素(N),リン(P)には陸起源のものと外海起源のものがある.N・Pの収支を示した.陸起源のリンの一部は海底に堆積し,残りは外海に出る.外海起源のリンは内海の海底に堆積する量だけ入る.窒素の場合は,海底に堆積する量に脱窒によって失われる量が加わる.内海と外海間のN・P輸送量には大きな季節変動があり,夏には流入傾向,秋から冬には流出である.夏に外海から流入するN・P量は黒潮離岸距離によって支配されており,年による違いが大きい.外海から流入するN・Pの瀬戸内海内部への流入路を示した.瀬戸内海内部での水質分布に影響を及ぼす通過流について,その長期変動を示した.最後に,瀬戸内海内部のN・P濃度の長期変動を示し,その変動機構について論じた.瀬戸内海の栄養状態は,1970年代後半の富栄養期から1985年ごろにいったん貧栄養になった後,1990年ごろの高栄養塩期を経て,現在の貧栄養期となっている.
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1342-2758
- CiNii Articles ID : 110007999355
- CiNii Books ID : AN10492259