2016年3月
マツノザイセンチュウの増殖力因子の解析
第127回日本森林学会学術講演集
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- 巻
- 127
- 号
- 開始ページ
- 226
- 終了ページ
- 158
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
- DOI
- 10.11519/jfsc.127.0_158
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
マツノザイセンチュウ(以下線虫)は、世界の広範囲で激害を及ぼしているマツ材線虫病の病原体である。先行研究において、線虫の病原性因子を精査するために、病原力の異なる2つの近交系系統から17系統の組み換え近交系(RIL)が作出された。RILにおいて増殖力と病原力の間には高い正の相関があることが明らかになっており、増殖力が線虫の病原性因子の一つである可能性は高い。本研究では、これまで菌叢上培養時の個体数増加速度として評価してきた増殖力の要因を細分化し、RIL及びその親系統を対象に表現型評価を行った。各系統を同調培養し、ほぼ同時に産卵された卵を分離して水中で静置後、孵化していなかった卵の数から各系統の孵化率を算出した。その結果、孵化率はRILにおいて連続的に変異していた。また、孵化率と増殖力の間で明確な相関関係は認められなかった。現在、各系統の雌の増殖型4期幼虫を一頭ずつ分離し、雌成虫へ脱皮後に雄成虫と交配させ、4日分の累計産卵数を計数することで各系統の産卵数を評価している。発表では、重回帰分析の結果などを基に、各形質が線虫の増殖力にどの程度関与しているかを議論したい。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.127.0_158
- CiNii Articles ID : 130005166552