新疆ウイグル自治区のほとんどは乾燥地域であり、耕地開発・工業開発および気候変動等の影響で河川表流水の減少、地下水位低下、などによって生活用水の確保難や水質悪化、農地の荒廃等の深刻な問題が発生している。そのため，将来的な水資源の確保および水環境の保全に対する有効な対策を検討する必要があるが，タリム河流域における水・物質循環構造に関しては物理的な現象解明はほとんど進んでいない。そこで，本研究では飽和平面二次元地下水流動モデルを用いて、タリム河流域全体の地下水水位および流動特性の解析をおこない，流域全体における水資源利用に伴う地下水流動状況の変化について検討した。