2015年10月
【気管食道科領域における経口的鏡視下低侵襲治療】 Endoscopic Laryngo-Pharyngeal Surgery
日本気管食道科学会会報
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- 巻
- 66
- 号
- 5
- 開始ページ
- 311
- 終了ページ
- 318
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (NPO)日本気管食道科学会
Narrow band imaging(NBI)をはじめとする内視鏡診断技術が頭頸部領域にも応用され、従来では発見し得なかった微小な表在癌を診断できるようになってきた。これらの表在癌は当初は消化器内科医によってEndoscopic submucosal dissection(ESD)などにより治療されていたが、咽喉頭病変の治療に特化した術式として佐藤らによりEndoscopic laryngo-pharyngeal surgery(ELPS)が開発された。その特徴は彎曲型喉頭鏡とNBI機能付き上部消化管拡大内視鏡によって視野を確保し、耳鼻咽喉科医が切除を行うことにあり、初期には表在癌に対してのみ行われていたが、最近ではその適応が浸潤癌にも拡大されつつある。ELPSのメリットは彎曲型喉頭鏡とNBI機能付き上部消化管拡大内視鏡による良好な術野、ウォータージェット機能をはじめとする拡大内視鏡のさまざまな機能的サポートが受けられること、上皮化注射により深部組織を温存することで術後の声帯運動制限・嚥下機能低下を最低限に抑える超低侵襲治療であること、頸部食道に病変が進展している場合にもESDをその場で併用することで対処可能なことにある。咽喉頭癌治療における選択肢の一つとして経口的ロボット支援手術が世界的に普及しつつある現在、わが国で独自に開発された安価で低侵襲な治療法であり、今後の更なる発展・普及が期待される。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0029-0645
- 医中誌Web ID : 2016052776