2020年10月
抗インフルエンザ薬の適正使用指針(フォーミュラリ)導入のアウトカム評価
日本病院薬剤師会雑誌
- 巻
- 56
- 号
- 10
- 開始ページ
- 1155
- 終了ページ
- 1160
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本病院薬剤師会
京都大学医学部附属病院では、2019年11月より抗インフルエンザ薬を対象に適正使用指針(フォーミュラリ)を導入した。これまで、フォーミュラリ導入に関する過去の研究では医療経済を指標に検討されてきた。本研究では、医薬品の適正使用に焦点を当てて、フォーミュラリ導入の効果を検討した。2018年12月〜2019年1月および2019年12月〜2020年1月に抗インフルエンザ薬が投与された331名を対象とした。各薬剤の使用割合は導入前後によって、オセルタミビル:47.2→72.2%、ザナミビル:2.2→4.0%、ラニナミビル:19.4→7.3%、ペラミビル:19.4→16.5%、バロキサビル:11.6→0%に変化した。不適切投与は導入前後において21.6%から1.3%へ有意に低下した。1人当たりの薬剤費用は3,391円から2,685円へと減少した。フォーミュラリの導入は、医療経済だけでなく適正使用にも貢献することが明らかとなった。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 1341-8815
- 医中誌Web ID : UA05220008