2018年6月 - 2023年3月
新世代中性子構造生物学の開拓
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
H30年度は研究計画に沿い「試料調製」に関しては「調製環境」「必要な測定機器の整備」「調製条件の検討・予備発現」、「中性子溶液散乱」に関しては「MurD・Hefを用いた測定条件確認のための試験中性子溶液散乱測定」、「計算機解析法」に関しては「計算機環境の整備」「ソフトウェア開発」「試験解析」を行った。以下、具体的に記載する。
【試料調製】MurDはドメインライゲーション法の確立を進めている。ライゲーションのためには変異導入が必要となるが、この変異導入によるダイナミクスの変化は起こらない事をNMRを用いて確認した。Hefはスプリットインテイン法を用いて3つのドメインライゲーションに成功した。これは世界的に見て非常に価値が高い成果である。Tr-Ubもユビキチン結合酵素を用いてドメインライゲーションに成功した。更に4つのドメインを持つPDIファミリー蛋白質のER-60の高純度精製に成功した。今後はこの蛋白質も研究対象に加える予定である。必要機器として質量分析器の導入を行い、既に重水素化蛋白質の重水素化率検定に利用している。
【中性子溶液散乱測定】J-PARCのBL02を用いて、MurDおよびHefの必要濃度・測定時間等の予備検討実験を行った。濃度50mg/mLの試料の場合、6時間程度で内部ダイナミクスが測定可能であることを確認した。この成果は論文に公表予定である。また、Hefはドメイン蛋白質であるMurDとは異なったIDP特有の運動が観測された。
【計算機】専用の計算環境確立のために機器導入を行い、免疫に関する蛋白質を用いたMD計算により動作確認を行った。更に今後の大きな蛋白質に対応するために租視化MD法の確立を進めている。
以上より、H30年度は今年度以降の研究に必要となる技術の確立・装置の導入を滞りなく進めた。また、それらを用いた予備実験の中から公表に値する成果も創出できた。
【試料調製】MurDはドメインライゲーション法の確立を進めている。ライゲーションのためには変異導入が必要となるが、この変異導入によるダイナミクスの変化は起こらない事をNMRを用いて確認した。Hefはスプリットインテイン法を用いて3つのドメインライゲーションに成功した。これは世界的に見て非常に価値が高い成果である。Tr-Ubもユビキチン結合酵素を用いてドメインライゲーションに成功した。更に4つのドメインを持つPDIファミリー蛋白質のER-60の高純度精製に成功した。今後はこの蛋白質も研究対象に加える予定である。必要機器として質量分析器の導入を行い、既に重水素化蛋白質の重水素化率検定に利用している。
【中性子溶液散乱測定】J-PARCのBL02を用いて、MurDおよびHefの必要濃度・測定時間等の予備検討実験を行った。濃度50mg/mLの試料の場合、6時間程度で内部ダイナミクスが測定可能であることを確認した。この成果は論文に公表予定である。また、Hefはドメイン蛋白質であるMurDとは異なったIDP特有の運動が観測された。
【計算機】専用の計算環境確立のために機器導入を行い、免疫に関する蛋白質を用いたMD計算により動作確認を行った。更に今後の大きな蛋白質に対応するために租視化MD法の確立を進めている。
以上より、H30年度は今年度以降の研究に必要となる技術の確立・装置の導入を滞りなく進めた。また、それらを用いた予備実験の中から公表に値する成果も創出できた。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 18H05229
- 体系的課題番号 : JP18H05229