2016年3月27日
コナラにおける葉内炭素動態―13CパルスラベリングとNanoSIMSを用いて―
日本森林学会大会学術講演集
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- 巻
- 127th
- 号
- 開始ページ
- 147
- 終了ページ
- 318
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.127.0_318
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
樹木の葉において光合成で獲得された炭素は糖となり呼吸に使われ、またデンプンとして蓄積され、一部は師部を通って非同化部分へと送られる。葉内の炭素動態は森林炭素循環における滞留時間を考えるうえで重要である。本研究ではコナラ(Quercus serrata)に13Cパルスラベリングを適用し炭素の詳細な追跡を試みた。2014年7月に行ったラベリングでは3時間ごとにサンプリングされた33時間目までの葉について可溶性炭素(糖類、アミノ酸、有機酸を含む)とデンプンの13C同位体比をIRMSで測定した。2012年5月に行ったラベリングでは、ラベリング直後および6日後の葉について切片を作成しNanoSIMSでの観察を試みた。可溶性炭素の13C同位体比はラベリング直後が最も高く徐々に減少していたが、デンプンの13C同位体比はラベリング後夕方にかけて増加し、その後夜間に減少した。NanoSIMSでの観察では、ラベリング直後にはみられなかったデンプン粒への13Cの集積が6日後の葉で見られた。これらの結果は炭素が取り込まれた直後は可溶性炭素として存在し、時間とともにデンプンにも移動することを示している。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.127.0_318
- ISSN : 2187-6576
- J-Global ID : 201602215038020440
- CiNii Articles ID : 130005167026