2017年4月 - 2021年3月
高圧メディカルガスを用いた新しい臓器保存法の確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
近年の移植医療の発展に伴い、様々な臓器保存法が次々に開発され、現在も更なる技術開発が進んでいる。最近、申請者らは高圧メディカルガス(酸素(O2)1.5atmと一酸化炭素(CO)2atm)を用いた新しい臓器保存法を開発し、ラットの心臓を24時間保存して、摘出直後と同等の機能を保つことに成功した。
そこで、小動物(ラット肺)および大動物(イヌ肺)を用いて、この保存法の有効性を検証した。ドナーのラットとイヌから肺を摘出し、保存液(E T―KYOTO)で灌流した後、CO(1.5 atm)と酸素(O2; 2 atm)で満たされた耐圧チャンバー内に保存した。その後、20から22時間保存したラット肺をレシピエントに異所性頸部移植し、イヌ肺をレシピエントに同種移植した。
その結果、高圧メディカルガスで保存した群は、コントロールに比べて肺胞出血が優位に少なかった。また、、炎症性メディエーター(IL-6、IL-1β)は、高圧メディカルガスで保存した群は、コントロールに比べて優位に低かった。さらに、高圧メディカルガスで保存した群は、血中酸素濃度を保ことができ、移植後の血中の乳酸値が低下する傾向があった。この方法において、肺の内部を空気で満たした場合、C OとO2で満たす群よりも肺の状態が良いことが明らかになった。
このため、高圧メディカルガス保存法は、小動物の肺だけでなく、大動物の肺にも応用可能であることが示唆された。また、肺を保存する際には、外部から高圧をかけるだけではなく、内部にもガスが入るようにする必要があることを明らかにした。
そこで、小動物(ラット肺)および大動物(イヌ肺)を用いて、この保存法の有効性を検証した。ドナーのラットとイヌから肺を摘出し、保存液(E T―KYOTO)で灌流した後、CO(1.5 atm)と酸素(O2; 2 atm)で満たされた耐圧チャンバー内に保存した。その後、20から22時間保存したラット肺をレシピエントに異所性頸部移植し、イヌ肺をレシピエントに同種移植した。
その結果、高圧メディカルガスで保存した群は、コントロールに比べて肺胞出血が優位に少なかった。また、、炎症性メディエーター(IL-6、IL-1β)は、高圧メディカルガスで保存した群は、コントロールに比べて優位に低かった。さらに、高圧メディカルガスで保存した群は、血中酸素濃度を保ことができ、移植後の血中の乳酸値が低下する傾向があった。この方法において、肺の内部を空気で満たした場合、C OとO2で満たす群よりも肺の状態が良いことが明らかになった。
このため、高圧メディカルガス保存法は、小動物の肺だけでなく、大動物の肺にも応用可能であることが示唆された。また、肺を保存する際には、外部から高圧をかけるだけではなく、内部にもガスが入るようにする必要があることを明らかにした。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 17H04274
- 体系的課題番号 : JP17H04274