MISC

2012年6月

NF-κB抑制作用を有するクルクミンを用いた新規膵癌治療の開発

臨床薬理の進歩
  • 金井 雅史
  • 吉村 健一
  • 浅田 全範
  • 今泉 厚
  • 鈴木 千尋
  • 松本 繁巳
  • 西村 貴文
  • 森 由希子
  • 増井 俊彦
  • 川口 義弥
  • 柳原 一広
  • 八隅 秀二郎
  • 千葉 勉
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33
開始ページ
109
終了ページ
114
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)臨床薬理研究振興財団

ゲムシタビン(GEM)を用いた化学療法に抵抗性となった膵癌症例に対するクルクミン補助療法の第I/II相臨床試験を実施した。2008年9月〜2009年8月に登録された21例に試験治療を行った。19例はGEMとS-1の併用療法、2例はGEM単独療法にクルクミン1日8gの追加を行った。第I相に登録された最初の3例で1日8gのクルクミン追加に関連した有害事象は認めなかったため、この用量を第II相試験の推奨用量とした。II相試験で認めた有害事象の頻度は、通常のGEM療法で認める頻度とほぼ同等であり、クルクミン追加による有害事象の増悪はないものと考えられた。クルクミンのコンプライアンスについては、1日8g連日経口摂取のコンプライアンスが19例(90%)で達成可能であった。治療効果は、生存期間の中央値が161日(109〜223日)であり、先行研究で報告されているGEM耐性患者の予後(約2ヵ月)を考慮すると、クルクミン補助療法は有望であると思われた。

ID情報
  • ISSN : 0914-4366
  • 医中誌Web ID : 2012296734

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