科学的根拠に基づく医療の標準化と個別化医療(personalized medicine)を組み合わせた細やかな対応は、実臨床において医療側が留意すべきことである。しかし、医科学の知識と技術の恩恵を多くの人々が享受するためには、患者個々の問題から、多くの患者が共通して抱える問題に着目し、リスク回避につなげる必要がある。これがアクセプタビリティリサーチであり、疾病負荷(Disease Burden)を低減し、患者満足・安全性・効率性の改善が期待できる。高齢化社会においては、心身の虚弱化を抱える人々は激増し、自己管理行動を容易にできるために、産学官連携で支える体制が求められている。(著者抄録)