2019年4月 - 2022年3月
マルチスケールにおける細粒土砂動態の非平衡性がもたらす土砂堆積現象の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
庄内川を対象とした現地観測の結果から得た粒度分布や,高頻度の撮影画像から得たSfM-MVS 解析による微地形の変遷から,その維持機構を検討した.草本群落が河床材料の被覆を受けずに維持されている領域において,平均年最大値規模の出水後に細粒分のみならず砂分を多く含む土砂が堆積する現象に関して,数値解析を併用して水理的な条件を検討した.解析では,簡易な植生内流速の算出法を用いることで,粒子沈降速度との比較から浮遊砂としての連行条件を推定可能であると仮定した.結果からは,浮遊砂としての連行条件を満たしていない領域において砂分の堆積が多く見られた.また庄内川の二次支川である香流川を対象として,河道整備後の裸地の変遷をモニタリングすることで,比較的小規模な河川における同種の現象の機構を検討した.庄内川での現象と同様に,砂州上における相対的な位置の違いに応じた粒度分布の違いが観察され,リーチスケールの流れの構造に応じて植生の影響下で砂分の堆積する自然堤防帯的地形と,局所的に密生した植生がごく低速の流速下で細粒分を堆積させる後背湿地的な地形とに分類が可能であった.
また,木曽川水系揖斐川及び長良川の自然堤防帯区間における高水敷掘削地における土砂再堆積傾向の違いと,両河川のウォッシュロード濃度の関係性を把握するため,高水流量観測時の簡易な表面採水により2018年と2019年の出水期におけるウォッシュロード濃度を計測し,揖斐川は長良川よりも濃度が高いことを示した.ウォッシュロードの堆積速度を対象とした簡易なモデル計算手法を開発し,流量に応じた土砂濃度を直接与えて掘削地における堆積速度を求め,冠水が生じる水位流量の時間頻度をもって積分することにより,年間の堆積速度を予測可能であることを示した.ただし,地表を覆う植物などの微環境が伴わない場合,ウォッシュロードの堆積は生じえないことも示唆された.
また,木曽川水系揖斐川及び長良川の自然堤防帯区間における高水敷掘削地における土砂再堆積傾向の違いと,両河川のウォッシュロード濃度の関係性を把握するため,高水流量観測時の簡易な表面採水により2018年と2019年の出水期におけるウォッシュロード濃度を計測し,揖斐川は長良川よりも濃度が高いことを示した.ウォッシュロードの堆積速度を対象とした簡易なモデル計算手法を開発し,流量に応じた土砂濃度を直接与えて掘削地における堆積速度を求め,冠水が生じる水位流量の時間頻度をもって積分することにより,年間の堆積速度を予測可能であることを示した.ただし,地表を覆う植物などの微環境が伴わない場合,ウォッシュロードの堆積は生じえないことも示唆された.
- ID情報
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- 課題番号 : 19K04625
- 体系的課題番号 : JP19K04625
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
土木学会論文集B1(水工学) 78(2) I_1075-I_1080 2022年10月 査読有り最終著者責任著者
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河川技術論文集 26 585-590 2020年7月 査読有り筆頭著者
講演・口頭発表等
2-
ELR2022つくば 2022年9月22日
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応用生態工学会2020年度Web研究発表会 2020年12月5日