2003年3月
長期ステロイド内服中に発症した胸椎硬膜外膿瘍の1例
倉敷中央病院年報
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- 巻
- 65
- 号
- 開始ページ
- 79
- 終了ページ
- 82
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公財)大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院
69歳男.背部痛,歩行障害を主訴とした.潰瘍性大腸炎に対しプレドニゾロンを4年間投与されていた.高熱と背部痛が出現し,1週間後に急速に進行するTh7〜8以下の知覚・運動障害・病的反射出現,排尿困難を認めた.magnetic resonance imaging(MRI)にて,前後から硬膜を圧迫する腫瘍性病変を認めた.臨床経過と画像所見より脊髄硬膜外膿瘍と診断し,ステロイド・パルスにより両側下肢徒手筋力テストで回復がみられたため,翌朝に椎弓切除術を施行した.術後経過は良好で,術後6週で独歩退院となった.発症の誘因として長期低用量ステロイドによる易感染性が考えられた.長期ステロイド内服中の患者は易感染性宿主と考え,発熱を伴う背部痛を訴えた場合,MRIによる早期診断が必要と考えられた
- ID情報
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- ISSN : 0368-4954
- 医中誌Web ID : 2003303529