共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

IoT社会の実現を目指した次世代コンピューティング基盤の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H01712
体系的課題番号
JP17H01712
配分額
(総額)
18,850,000円
(直接経費)
14,500,000円
(間接経費)
4,350,000円

商用の65nm CMOSプロセステクノロジを使用し、動的電圧制御(電源電圧とバックゲートバイアス)を可能とするプロセッサを試作した。プロセッサ設計にはオープンソースコアであるRISC-Vを使用した。平成29年度に試作した各種要素回路の評価結果をフィードバックし、各種センサを備えたプロセッサとして実現した。1.2Vから0.3Vまでのニアスレッショルド電圧(しきい値電圧近傍の電源電圧)およびサブスレッショルド電圧(しきい値電圧以下の電源電圧)での動作を実チップにより実証した。また、プロセッサの動作状況および発電システムの発電状況に応じて、1)最小エネルギー動作、2)最小電力動作、3)最低電圧動作、をソフトウェアから最適に制御するプロセッサの動的電圧制御メカニズムを構築した。事前に作成した線形近似モデルと温度センサおよび電流センサの値からプロセッサの最適な動作点(電源電圧としきい値電圧の組)を実行時に計算する機構を構築した。研究の成果は国内外の関連する会議で発表した。
過去に試作した環境発電技術を発展させ、太陽光だけでなく風力や体温あるいは振動などから効率良く電力を創りだす環境発電システムのアーキテクチャ開発の検討を開始した。内蔵キャパシタを用いて、環境から取り入れた電力をバッテリや各種機器へ適切にスケジューリングする技術を検討した。さらに、過去に試作した環境発電システムを再設計し、ソフトウェアからの制御を容易にするメカニズムを構築した。これにより、乾電池と環境発電池のミックス電源でプロセッサを10年継続動作させるシステムの構築を狙う。環境発電システムに関する成果は電気化学会キャパシタ技術委員会の招待講演にて発表した。さらには、発電装置、蓄電池、プロセッサシステムおよびアプリケーションプログラムの動作を総合的に考慮し、システム全体をOSから統合的に管理する電力管理技術を検討した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H01712
ID情報
  • 課題番号 : 17H01712
  • 体系的課題番号 : JP17H01712