MISC

2011年8月

脾門部に発生した脾動脈瘤に対し動脈瘤切除、脾臓温存しえた1例

島根県立中央病院医学雑誌
  • 青木 恵子
  • ,
  • 徳家 敦夫
  • ,
  • 渡邊 栄一郎
  • ,
  • 久保田 豊成
  • ,
  • 横山 靖彦
  • ,
  • 杉本 真一
  • ,
  • 高村 通生
  • ,
  • 増井 俊彦
  • ,
  • 武田 啓志
  • ,
  • 橋本 幸直

35
開始ページ
55
終了ページ
58
記述言語
日本語
掲載種別

45歳女性、職場検診の腹部超音波検査にて脾動脈瘤を指摘され精査目的にて当院紹介となった。CTアンギオにて脾門部に径27×20mmの動脈瘤を認め、真性動脈瘤の所見であった。性状からIVRは困難と判断し手術を行った。脾門部に直径約3cmの動脈瘤を認め、その頭側に脾静脈が走行、脾静脈と動脈瘤は強固に癒着していた。流入血管は脾動脈本幹の1本、流出血管は2本でそれぞれを結紮切離し動脈瘤のみを切除し血行再建は行わなかった。脾の色調については動脈瘤切除直後に虚血性変化を認めたが、次第に回復し脾摘は必要ないと判断し手術を終了した。第6病日のCTにて一部脾梗塞の部分を認めるものの後胃動脈・短胃動脈から胃を介して脾臓が造影される所見を認めた。術後経過は良好で第7病日に退院となった。脾門部に発生する動脈瘤であっても側副血行が存在する場合は必ずしも脾摘出の必要はなく、術中に脾の色調変化をみることで判断できると思われる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0289-5455

エクスポート
BibTeX RIS