共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

孤立貴金属の特異な局所状態を利用した窒素酸化物還元サイトの創出

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K04775
体系的課題番号
JP21K04775
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

近年の電動化の流れの中にあっても排ガス浄化触媒は自動車にとって重要な技術の一つである.特に低燃費化による排ガス組成の変化に伴って,酸化雰囲気下でも高い窒素酸化物(NOx)還元活性を示す触媒が必要とされている.本研究では,ごく少量の貴金属を第二金属の結晶構造中に原子レベルで孤立させることによって,特異な構造および電子状態を発現させ,これを酸化雰囲気下でNOxの吸着・活性化を効率的に進める活性サイトとして展開することを目的とする.当該年度はPtに対して、主に第4周期の遷移元素を第二金属として複合触媒化することで孤立貴金属サイトを構築することを試みた.担体としてAl2O3使用して,これに含浸法でPt及び第二金属の前駆体を担持した.調製した触媒前駆体を水素雰囲気化,高温で還元処理したのち,これをクエンチすることによって,複合触媒を調製した.調製した触媒に対して,モデル反応であるNO+CO+O2+C3H6反応活性を評価し,理論空燃比条件および酸素濃度変動条件での触媒性能を比較したところ,いくつかのPt-遷移金属の組み合わせについて目的の酸素過剰条件(酸化雰囲気)下においてモノメタル触媒と比較して有意に高いNO還元活性が発現することを見出した.これらの触媒についてキャラクタリゼーションを実施した.当該年度は XRDや化学吸着量測定を主に実施したが,担持量の影響からか,触媒間で有意な差や特徴を見いだすことができなかった. 一方で,放射光施設を利用したXRDおよびXAFS分析については予備的な測定を実施し,実験手法の点で次年度以降の実験計画に寄与する結果をえることができた.引き続き構造的な特性を捉えるべく解析手法を検討する.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K04775
ID情報
  • 課題番号 : 21K04775
  • 体系的課題番号 : JP21K04775