MISC

2010年10月

【ペインクリニックで使用する薬の新展開】その他の話題 今後期待される鎮痛薬 エピジェネティクス制御を伴った遺伝子発現変化に基づく新規鎮痛薬への期待

ペインクリニック
  • 成田 年
  • ,
  • 今井 哲司
  • ,
  • 葛巻 直子
  • ,
  • 鳥越 一宏
  • ,
  • 鈴木 勉

31
別冊秋
開始ページ
S473
終了ページ
S479
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
真興交易(株)医書出版部

時間的経過を経た慢性疼痛の発現機構を、単一因子による制御で説明することは困難である。これは臨床的に「慢性疼痛は適切な初期治療ストラテジーを見い出せない場合に、難治性の疾患となる」という事実に呼応する。一方、痛みや炎症により連動するサイトカイン・ケモカインの産生誘導は、痛みシグナルの可塑的な変動の引き金となる。こうした慢性的な知覚刺激による「中枢過感作」に後生的遺伝子修飾が寄与する可能性は極めて高いと考えられる。本稿では、われわれの最新の研究成果を基に、エピジェネティクス変化という視点から痛み病態の統合的分子理解を高め、その修飾を制御する機構に基づく新規鎮痛薬の探索を議論する。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0388-4171
  • 医中誌Web ID : 2011045455

エクスポート
BibTeX RIS