共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2006年

高精密分子認識システムによる胆汁酸新規生理機能の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17390009
体系的課題番号
JP17390009
配分額
(総額)
15,000,000円
(直接経費)
15,000,000円

最近、我々によりラット脳内に胆汁酸の存在が指摘され、その結合タンパク質の存在も示唆されている。一方、大腸がんのプロモーター作用を有することが知られる二次胆汁酸が、ピストンH3のN末端部リジンに特異的に結合することを明らかにしたことから、胆汁酸の新たな機能が注日される。そこで今回、高精密分子認識システムによる胆汁酸の新規生理作用につき、検討を加えた。
まず、胆汁酸固定化cleavable affnity gelを用いる結合タンパク質の特異的抽出法を構築し、ラット脳内の胆汁酸結合タンパク質の抽出を試みた。その結果、α-、β-チューブリン、β-アクチン及び14-3-3タンパク質が選択的に濃縮されることが判明し、さらに脳下垂体からは下垂体門脈中の血清アルブミンの他、成長ホルモンが抽出された。次いで、成長ホルモンとケノデオキシコール酸の結合につき、アフィニテイーラベル化法により解析したところ、Lys^<55>、Lys^<192>、Lys^<196>、Lys^<205>のε-アミノ基へのラベル化が確認され、これらのリジン残基が共通して存在する空間での結合が示唆された。
脳内胆汁酸の輸送タンパク質を検索したところ、胆汁酸に結合能を有するタンパク質の存在が明らかとなり、しかもそれが黒質に局在することが判明した。胆汁酸トランスポーターの機能解析のために、蛍光標識胆汁酸による解析法を構築し、輸送活性を可視化することに成功した。
細胞内タンパク質に対する胆汁酸の不可逆的修飾に検討を加え、核画分の方が細胞質画分よりも修飾され易いタンパク質が多いことがわかった。抗胆汁酸抗体を用いるウェスタンブロット解析により特定された付加タンパク質を解析したところ、全タンパク質の同定に成功した。
リン酸基特異的誘導体化に検討を加え、^<79>Br、^<81>Brに由来するツインヒ.ークがプロダクトイオンスキャン分析により明確に認められ、これを活用するリン酸化修飾タンパク質の解析法を構築した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17390009
ID情報
  • 課題番号 : 17390009
  • 体系的課題番号 : JP17390009