講演・口頭発表等

2021年9月1日

心身の健康増進を目的としたオンライン動作法とビデオ教材動作法の効果比較

日本心理学会第85回大会発表論文集, 81
  • 清水 良三
  • ,
  • 上倉 安代
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  • 大川 一郎
  • ,
  • 益子 洋人

記述言語
日本語
会議種別
ポスター発表

問題:オンライン双方向型とビデオ教材視聴型による動作法体験が心身融和的な健康の維持増進に及ぼす効果を比較する。
方法:健康動作法プログラム(講義20分,実技40分)をオンライン双方向群(11名, 男性3名,女性8名/平均年齢39.40歳,SD = 17.32)とビデオ教材群(32名, 男性2名,女性31名/平均年齢26.50歳,SD = 9.97)に実施し,その前後 (Pre, Post) と2週間後 (FU) に,心身の融和感, 精神的健康度,ローカスオブコントロール尺度を測定した。
結果:心身の融和感尺度の「心身のリラックス感」と「心身の調和感」で,支援形態と時期の交互作用が有意であった。単純主効果検定の結果,オンライン双方向群では,心身のリラックス感が有意にPre < Post,FUとなり,心身の調和感で有意にPre < Postとなった。一方,ビデオ教材群で有意差は見られなかった。また,その他の指標では有意差は見られなかった。
考察:オンライン双方向動作法は,実施直後には,ビデオ教材型動作法よりも,心身のリラックス感、心身の調和感を高め,心身のリラックス感は2週間後も持続した。よって,オンライン双方向群は,リアルタイムの援助体験が得られ,自己が過度に意識することなく動作体験できることでリラックス感が増し,また心身の調和感は,自己身体に過度に意識集中せず自己調整が促進されたと考えられる。加えて,自室での実施により,周囲の挙動を気にせず動作体験に集中し,主体的に取り組める,自己身体の自己調整が促進,心身の調和感が向上した,心身の緊張の抜き方を体感し,リラックス感が増し,体験以後も,心身をリラックスした状態に保ちやすいと考えられる。よって,オンライン双方向形態での動作法の有用性が示唆された。
キーワード:心身健康増進、オンライン研修、ビデオ視聴研修

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共同研究・競争的資金等の研究課題
高齢者の心身の健康増進に有効な心身統合的援助プログラムの開発とその効果の検討