MISC

2015年5月

乳児難聴例における側頭骨CT所見の検討

Otology Japan
  • 岡野 高之
  • ,
  • 谷口 美玲
  • ,
  • 伊藤 壽一

25
2
開始ページ
97
終了ページ
103
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11289/otoljpn.25.97
出版者・発行元
(一社)日本耳科学会

ABRで中等度以上の難聴と診断された乳児60例において側頭骨CTの所見を、1)中等度・高度難聴の鑑別診断、2)一側性重度難聴と両側重度難聴の比較、3)内耳・内耳道の奇形と聴力、の3つの点を中心に検討した。中等度・高度難聴を有する31例中28例において側頭骨CTで異常所見をみとめ、難聴の鑑別診断に有用であった。一側重度難聴では、16例中10例に骨性蝸牛神経管狭窄を認め、特徴的な所見であった。両側重度難聴では骨性蝸牛神経管狭窄は認めなかったことから、一側重度難聴例と比較して難聴の病態が異なることが推察された。蝸牛・前庭や内耳道の奇形例では重度難聴を示したが、半規管奇形と難聴の相関はなかった。上記の結果から、先天性の一側重度難聴や両側中等度・高度難聴において側頭骨CTで異常所見を検出する割合が高く、これらの難聴の鑑別診断とその後の聴覚管理の観点から側頭骨CTを実施する意義があると考えられた。(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11289/otoljpn.25.97
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201502212830860262
ID情報
  • DOI : 10.11289/otoljpn.25.97
  • ISSN : 0917-2025
  • 医中誌Web ID : 2015285065
  • J-Global ID : 201502212830860262

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