共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

分子不斉カリックスアレーンの触媒的不斉合成と分子認識素子への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K06964
体系的課題番号
JP20K06964
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

カリックスアレーンはフェノールが2、6位でメチレン架橋された環状オリゴマーであり、その内部空間を生かしてホスト・ゲスト化学における代表的なホスト分子として数多くの研究がなされてきた。例えば配座がお椀型のcone型に固定されている場合、その三次元構造に由来して、置換基の配列に応じた固有のキラリティを持つ。この特徴的なキラリティを持つカリックスアレーン類の分子認識能には興味がもたれるが、中心不斉を構築する反応における不斉触媒としての評価が数例報告されているのみで、分子認識能の評価はほとんど為されていない。このような応用研究の推進に、化合物の量的供給が必須となるが、触媒的不斉合成法は欠如している。前年度はこの触媒的不斉合成法として、キラルロジウム二核錯体触媒を用いるC-Hアミノ化による不斉非対称化反応を開発した。これにより、触媒的な方法論に基づき、高い光学純度で分子不斉カリックスアレーンを得ることができた。今年度は誘導化を見据えた官能基変換手法として、芳香族臭素化による不斉非対称化反応に取り組んだ。その結果、置換カリックスアレーンの部分構造であるビスアリールメタン誘導体の芳香族臭素化による不斉非対称化が高エナンチオ選択的に進行することを見出した。キラルビスアリールメタン誘導体は医薬品の部分構造にも見られる構造単位であり、触媒反応開発というだけでなく、医薬品化学の観点からも有用な反応を見出すことができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K06964
ID情報
  • 課題番号 : 20K06964
  • 体系的課題番号 : JP20K06964