2018年4月 - 2020年3月
シリル基の特性を利用した位置選択的C-H官能基化反応の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究では、有効な位置選択性制御法の存在しない、配位性配向基を持たない基質の分子間C-H官能基化反応において、ケイ素の特性を利用した位置選択性制御法の創出を目的としている。本研究の遂行により、有機合成化学において合成戦略のパラダイムシフトの可能性のため、一大潮流となっているC-H結合官能基化研究において、独自の手法を構築することを目的とする。これまでのところ、ロジウム二核錯体を触媒として発生させたロジウムナイトレノイドを利用すると、有機ケイ素化合物のシリル基β位選択的にC-Hアミノ化反応が進行することを見出した。これは、遷移状態で生じる部分正電荷がシリル基の立体電子効果により安定化されるためと考えられる。この反応の一般性をさらに拡大することで、有機ケイ素化合物の新たな官能基化法を確立し、これまでビルディングブロックとして想定されなかった化合物の合成利用を可能にする合成手法を提示したい。また、不斉反応への展開も行い、キラル炭素に比べて不斉合成法の未熟なキラルケイ素分子構築法の発展も目指す。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K14866
- 体系的課題番号 : JP18K14866