人工股関節全置換術(THA)および人工骨頭置換術(BHA)を施行し、術後深部感染を発症した6症例(THA2股、BHA4股、男性1股、女性5股、手術時平均年齢73.5歳)をretrospectiveに検討した。その結果、6股中、温存し沈静化できたものは1股のみで、沈静化できずに瘻孔が存在するものは1股、沈静化のために抜去を要したものは2股認められた。感染鎮静化に要した手術平均回数は2.0回であった。起炎菌はMRSA 2股、MSSA 1股、Staphylococcus epidermidis 1股、Klebsiella pneumoniae 1股、Peptostrepto coccus sp.1股で、手術から発症までの期間は平均39週であった。尚、術前合併症、リスクファクターとして慢性腎不全が2股、再置換術が3股が認められた。