MISC

2010年8月

喉頭気管形成術を施行した喉頭・気管限局性アミロイドーシス例

耳鼻咽喉科臨床
  • 鈴木 千晶
  • ,
  • 平野 滋
  • ,
  • 渡邉 佳紀
  • ,
  • 岸本 曜
  • ,
  • 楯谷 一郎
  • ,
  • 三浦 誠
  • ,
  • 伊藤 壽一

103
8
開始ページ
763
終了ページ
767
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
耳鼻咽喉科臨床学会

53歳女性。患者は嗄声の出現で近医を受診、声門から声門下にかけて広範囲の肉芽が指摘され、その後、呼吸困難となったため、著者らの施設へ紹介となった。受診時、喉頭ファイバースコピーでは両側声門下から前交連にかけて腫瘤がみられ、CTでは気管膜様部に声門下から3cmにわたる内腔に突出する腫瘤、MRIでは同部位にT1・T2強調で低信号を呈する腫瘤が認められた。更に入院後、気道確保で気管切開術が行われ、ファイバースコピーでは声門下に全周性の壁肥厚、膜様部に腫瘤がみられた。一方、穿刺吸引細胞診では確診に至らず、気管喉頭截開術にて声門下腫瘤を切除し、膜様部粘膜を温存して気管部腫瘤の摘出が行われた。その結果、病理診断はアミロイドーシスで、全身検索では他臓器に病変は認められなかったが、術後に腫瘤の再増殖がみられ、再度の喉頭気管截開術で膜様部粘膜の完全切除と輪状軟骨後壁開大術が行われた。目下、術後1年が経過するが、再燃は認められていない。

ID情報
  • ISSN : 0032-6313
  • 医中誌Web ID : 2010317656

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