MISC

2007年12月

下咽頭滑膜肉腫の1例

天理医学紀要
  • 児嶋 剛
  • ,
  • 庄司 和彦
  • ,
  • 岸本 曜
  • ,
  • 高橋 淳人
  • ,
  • 伊木 健浩
  • ,
  • 本庄 原
  • ,
  • 奥村 敦子

10
1
開始ページ
102
終了ページ
108
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)天理よろづ相談所医学研究所

悪性軟部腫瘍のひとつである滑膜肉腫の好発部位は四肢であり頭頸部領域に発生することは非常にまれである.今回われわれは下咽頭より咽頭腔に突出した滑膜肉腫を経口的に摘出した症例を経験したので報告する.症例は23歳女性.嚥下時の違和感があり受診,喉頭を覆う右下咽頭を茎とする直径約4.5cmの腫瘤を認めた.術前には多形腺腫の診断であり,経口的に喉頭鏡下に摘出した.永久病理で上皮様細胞成分と線維肉腫様を示す紡錘形細胞成分とが混在する腫瘍であり,FISH法にてSYT遺伝子領域での切断異常を認めたため二相型の滑膜肉腫と診断された.転移を認めなかったので本人の希望もあり追加治療を行なっていないが,術後21ヵ月の時点で再発や転移は認めていない.治療は外科的切除が第1選択であるが,頭頸部領域においては解剖学的理由から根治切除が難しい.本症例では腫瘍のほとんどが咽頭腔に突出していたため経口的にすべて摘出でき,術後のQOLの低下はなかったが局所再発が多く,血行性に肺転移を起こしやすいことを考えると今後も外来での厳重な経過観察が必要である.(著者抄録)

リンク情報
URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2007&ichushi_jid=J03253&link_issn=&doc_id=20080107060010&doc_link_id=%2Fda7tenri%2F2007%2F001001%2F013%2F0102-0108%26dl%3D0&url=https%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Fda7tenri%2F2007%2F001001%2F013%2F0102-0108%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
ID情報
  • ISSN : 1344-1817
  • eISSN : 2187-2244
  • 医中誌Web ID : 2008106892

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