67歳女性。患者は右頸部腫瘤を主訴とした。受診時、CTでは右胸鎖乳突筋の裏面で内頸静脈の外側に30×20mm大の充実性腫瘤を認め、MRIでは腫瘤がT1にて等信号、T2にて高信号、T1ガドリニウム造影にて強い造影効果を示した。また、超音波で腫瘍は辺縁整、境界明瞭に描出され、内部はやや不均一で拡張した血管を認め、エコーガイド下穿刺細胞診はclass Iであった。以上より、神経原性腫瘍を疑い、腫瘍摘出術を施行したところ、病理組織学的に筋血管周皮腫と診断され、術後は創部に軽い痺れ感を認めたが、その他の明らかな神経脱落症状はなく、経過良好である。