共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年5月 - 2022年3月

マイクロ波誘起非平衡状態の学理とその固体・界面化学反応制御法への応用展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
17H06156
体系的課題番号
JP17H06156
配分額
(総額)
208,260,000円
(直接経費)
160,200,000円
(間接経費)
48,060,000円

各種in situ計測手法を用いて、マイクロ波照射により固体触媒反応や材料プロセッシングの際に生じる特異的な加熱現象、化学結合状態の変化、およびプラズマ形成を追跡した。さらに、電磁界シミュレーションの確立やマイクロ波顕微鏡による局所誘電率解析を進めた。得られた知見を活かしつつ、マイクロ波を用いた触媒的メタン改質反応の促進や、新材料合成手法の確立を進めた。
1) マイクロ波反応のin situ 測定:マイクロ波in situ 顕微ラマン分光イメージング装置を用いて金属酸化物触媒によるアルコール類の脱水反応中に生じる活性種を観測した。金属ナノ粒子触媒系については、国際基督教大学の田旺帝教授の支援のもとマイクロ波in situ XAFS測定系を構築し、マイクロ波照射下でPtナノ粒子の電子状態の直接観測に成功した。また、高温固相系におけるマイクロ波印加中の局所温度測定については、二次元二色温度計の導入と最適化を行い、1 pixelあたり2.2 mm まで空間分解能向上させることに成功した。また、既存の発光分光総理と局所温度計測の同時観測システムを完成させた。
2) 電磁界シミュレーション手法の確立:TSUBAME3.0上でのCOMSOL Multiphysicsを用いた電磁界、熱流束の連成解析手法を確立しつつ、計算過程を工夫し研究室所有ワークステーションを用いた微小スケールの電磁界分布の解析手法の確立にも着手した。
3) 局所複素誘電率解析:産業技術総合研究所 堀部雅弘グループ長の支援を得て、マイクロ波顕微鏡によりμmスケールでの電磁波吸収性のイメージングを行い、金属酸化物電極上の局所誘電特性を明らかにした。
4) 新触媒反応・材料合成手法への応用:上記の知見を活かし、マイクロ波によってペロブスカイト型酸化物触媒によるメタン改質反応の促進や磁性半導体の合成が可能であることを示した。

リンク情報
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-17H06156/17H06156_saitaku_gaiyo_ja.pdf
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-17H06156/17H06156_saitaku_shoken_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H06156
ID情報
  • 課題番号 : 17H06156
  • 体系的課題番号 : JP17H06156

この研究課題の成果一覧

論文

  1

講演・口頭発表等

  35